中山幸雄デジタルノート

中山幸雄デジタルノート



2018-02-18

熱病にかかったみたいにカポーティを読み漁った




トルーマン・カポーティ村上春樹

『誕生日の子どもたち』(文藝春秋、2002)から

村上春樹の訳者あとがきを一部引用する。


誕生日の子どもたち

誕生日の子どもたち


   個人的なことを言うと、

   僕が初めて英語で読んだカポーティ短編小説

   この『無頭の鷹』である。

   高校時代に英語の副読本に収められていたこの小説の抜粋を読み、

   その文章の比類のない美しさに打たれて、

   すぐにペーパーバックを買ってきて全文を読んだ。


   それからしばらくのあいだ熱病にかかったみたいに

   カポーティの文章を英語で読み漁ったことを記憶している。

   そういう意味では『無頭の鷹』は僕にとって

   特別な意味を持った作品であると言ってもいいだろう。

   ほぼ十年ぶりに読み返してみても、

   古いと感じるところはひとつもなかった。

                      (p.243)


The Grass Harp (Vintage International)

The Grass Harp (Vintage International)


   『誕生日の子どもたち』と『感謝祭の客』は

   本書のために新たに訳出した。

   これらの作品にはほかの翻訳者の方々の手になる

   定評のあるすぐれた訳もあり、

   今更の感もなきにしもあらずなのだが、

   僕(村上)が以前からいつかやりたいと望んでいたものなので、

   あえて屋上屋をかさねさせていただくことになった。

   (略)

                      (p.251)


夜の樹 (新潮文庫)

夜の樹 (新潮文庫)


ブックファースト新宿店「名著百選2017」

カポーティの『夜の樹』に出会った。

川本三郎の訳に引き込まれた。

英語原文を読みたくなって図書館で借り、

原文のリズムのよさに魅了された。

手元に置きたくなってPenguinの古書オンライン書店で買った。


同じ作品を村上春樹はどう訳すのか。

図書館で本書を借りてきた。

あとがきを最初に読んでいて、

村上にもカポーティの文章を英語で読み漁った時期があったと知って

なんだかうれしくなってしまったのだ。


誕生日の子どもたち (文春文庫)

誕生日の子どもたち (文春文庫)

カポーティ

カポーティ

wikipedia:en:truman capote

(文中敬称略)

2018-02-17

「連帯」は「分断」の世界に処方箋を書けるか




スクラップブックから

朝日新聞2018年2月14日朝刊

オピニオン&フォーラム 未来占う「言葉の時代」

ポーランド元大統領 レフ・ワレサさんインタビュー


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   1989年、東西冷戦象徴だった

   「ベルリンの壁」が崩壊する契機の一つになったのは、

   ポーランド労組「連帯」が主導した民主化運動だった。


   その求心力となって運動を率い、

   ノーベル平和賞も受賞した初代委員長の目には、

   分断が進むいまの世界はどう映っているのか。

   ポーランド元大統領のレフ・ワレサ氏に聞く。

       (聞き手と撮影 石合力=ヨーロッパ総局長、睫邯后


   —しかしそれ(引用者注:「ベルリンの壁」が崩壊した

   1989年)から四半世紀余り。

   世界が融合へと向かうのではなく、

   今のような「分断」に突き進むことになるのは、

   だれにも予期できなかったように思います。


   「大半の人は、手にした『自由』の使い方が

   分からなかったのです。

   エリートは、いい変化だと思った。

   でも大衆はどうしたら良いか分からず

   不満を持つようになっていったのです。


   未来は(共通の)『価値』という基礎の上に築くべきです。

   その『価値』を皆で決められたら、

   その土台の上に建設を始めることができるのです」


   —みなが共有できる価値や基盤とは、

   どのようなものですか。


   「まず民主主義(という価値)を打ち立てることが

   基礎になると思います。

   欧州の全ての国で、その基礎を作る必要があります。


   かつて欧州の基盤はキリスト教でしたが、

   イデオロギーがとって代わりました。

   共産主義もその一つでした。

   しかし、イデオロギーもなくなり、

   基盤が失われたのです。


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随所にワレサ俯瞰的な物の見方が読み取れる

インタビューだった。

けれども、ワレサの考えのどこにも

世界の分断を解決する処方箋が見当たらず、失望もした。

かつての歴史のキーパーソンを紙面に登場させる

朝日国際面の意欲はおおいに買う。

現代を考えるための材料には少なくともなった。


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(文中敬称略)

2018-02-16

iPhone4、あの世から二度目の生還




今週月曜日にiPhone4画面が突然真っ暗になった。

先日同じ現象が起きたときは修理店に持っていき、

バッテリー交換で復活

今度は原因が分からない。

2011年から7年近く使っているから

もう寿命なのか。


個人の携帯はいっぺん止めちゃうと、不便だよ」

と同居人に助言される。

確かに、携帯番号が変わったと友人知人から連絡をもらっても

書き替えることはめったにない。

逆も真なり。

いまの時代に携帯を持たないことは

自分のアイデンティティの一部を確実に失うことになる。


ネットで検索して(1)解約(2)買い換え、

両方の場合を想定して検討する。

2年ごとに新型に乗り換えさせるのが、

通信会社、メーカーの戦略であることは知っている。

「猫の目家計簿」をじっと眺め、考える。


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あれれ、MacBook Proに接続しておいた

iPhone4が復活してるぜ!

なんとなく、そんなこともあるかも、と

充電だけは続けていた。

アダプターを差し込むと操作音が聞こえるので、

機械内部がまだ生きていることは分かっていたからだ。

かくして、理由がわからずして真っ暗になり、

理由がわからずして復活した。


以前、あるメーカーの技術者に聞いたところでは、

「デジタル製品はある日突然、100%壊れてしまい、

私たちでも原因は分からない。

全部を取り替えるしかないんです」。

デジタル製品は0か100か、のどちらかなのか。

それは修理とはもはや呼べないな。

二度あの世から生還を遂げたiPhone4

Steve Jobsの形見として

その寿命が尽きるまで使っていこうと思った。

2018-02-15

奨学金制度が家族まで追い詰める




スクラップブックから

朝日新聞2018年2月14日朝刊

奨学金破産」(上)

娘が破産 400万円の重荷

定年後も仕事 月3万円返還


自分が奨学金を借り、

大学に通っていたときとは

状況がまったく変わっている。

その現実をまず理解する必要があると思った。

地道な取材に基づく、検証的な特集記事だ。

(諸永裕司、阿部峡介)


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   娘は30代になった。

   大学へ行くために

   日本学生支援機構から奨学金476万円を借りていた。

   父に連帯保証人、叔父に保証人になってもらった。

   卒業からしばらくして、

   返還金の重さに耐えられなくなった。


この女性は決して怠惰な人ではない。

高校時代は生徒会長。

アルバイトを掛け持ちしながら私立大学に通い、

業種を問わず15社を受け、就職。

奨学金返済を優先した。


職場の人間関係に悩み、体調を崩し退職。

この時点で奨学金の残金は400万円。

司法書士に相談し、自己破産を決めた。

請求は父に回り、本人は運悪く交通事故で入院。

再就職もままならない。


父は定年後もゴルフ場調理師として住み込みで働く。

保証人の叔父に迷惑をかけないため

自己破産もできず、月3万円ずつ返済。


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新卒で職に就いても年収300万円程度では、

500万円近い奨学金=借金を返済するのは容易でない。

富裕層から見れば「はした金」のような金額

本人も家族も追い詰められていく。

教育の機会均等を助けるはずの奨学金が、

借り手にはただのローンとして重くのしかかっているのが現実だ。

2018-02-14

崖の下から「60歳の崖」を眺めている




スクラップブックから

日本経済新聞2018年2月14日朝刊

給与「60歳の崖」緩く

定年延長でも8割程度維持

人手不足 経験生かす


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   25年までに厚生年金支給開始が

   男性で65歳に引き上げられ、

   定年や再雇用で収入が減る

   「60歳の崖」が課題となっている。


   人手不足が続くなか、

   経験豊かなシニア士気低下を防ぎながら、

   雇用を維持する動きが広がってきた。


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3年ちょっと前、

「60歳の崖」から落ちた身としては、

「こうした動きがもう少し早かったらなぁ」

と思う気持ちが半分。

「還暦という人生の節目を政府や企業の都合で

曖昧にされるのは嫌だなぁ」

と思う気持ちが半分。


だって、それまでと同じ仕事を期待されても

結局、給料は下がるんですもんね。

下がり幅が緩くなるだけでね。

それより、時間の使い方を劇的に変えるチャンスになる

定年後の方がいいと僕はこの3年の経験から思います。


やせ我慢じゃないかって?

いやいや、お金に換えられないことも、

世の中にはまだ存在するんですよね。

あ、どうせ僕はもはや対象外か……。

あれこれ心配する必要、なかったね(苦笑)。


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2018-02-13

野菜高騰の日々の大王弁当




まともな時間に帰れるときは定食、

遅くなるときは弁当の晩ごはんを

同居人に提供しています。

本日は大王弁当。


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黒胡麻ごはん。ベーコンポテト炒め。焼きかまぼこ

ちぢみホウレン草おかか和え。切り干し大根山椒昆布

野菜が品薄で値段が高騰して、

どの家庭でも献立に苦労する日々が

続いているでしょう。

僕は八百屋、スーパー野菜売り場を

数軒覗いて仕入れてます。


街のとんかつ屋さんは

刻みキャベツを止める訳にいかないから

さぞや大変だろうなぁ。

同情しちゃいます。

2018-02-12

セントオイルでパスタをつくろう




三連休最終日。

小さな洋食レストランを営む知人からいただいた

セントオイルがある。

(たぶん)オリーブオイル唐辛子、粒胡椒、

ハーブを入れて味付けをした調味料だ。

きょうのお昼はパスタだな。


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同居人が作った

ジャガイモブロッコリーのサラダが

冷蔵庫に残っている。

セントオイルでウィンナーと一緒に炒めて

茹で上げパスタにからめる。

彩りよく、栄養バランスもよさげな一品になりました。