yyzz2;虫撮記【虫画像・他】

昨年までは虫撮りの記録および虫の話題です。

苫小牧から転勤して,現在は遠軽町で活動……していません。

HPはhttp://yyzz2.sakura.ne.jp/。Twitterは更新連絡と愚痴。https://twitter.com/yyzz22

当面は,火曜日には必ず更新するということで頑張りたく思っています。

16-08-20(土)

[]Aracima属・Chlorissa属修正。 Aracima属・Chlorissa属修正。を含むブックマーク Aracima属・Chlorissa属修正。のブックマークコメント

 エダシャクの残りとアオシャクの修正とMoffetとを並行して進めている。今回はアオシャクのHP修正。

  • Aracima属
    • HPにあげたように,原記載論文が見つかっておそらく解決。
    • ちなみに,関係ありとされたThalassodes coelataria (現 Maxates coelataria)の画像。以前やったムーアの『セイロンの鱗翅目』から。

f:id:yyzz2:20160820223247j:image

 Moore, 1884, Lep. Ceyl.. t. III. p. 436, pl. 196, fig. 2, 2a。

    • もう1種。こちらの方がアナグラムの元ネタ。Macaria vagata (現 Paramaxates vagata)の方は使える画像が見つからないので,サイト「iNaturalist.org」の「Paramaxates vagata」。
    • いやあ,アオシャクだなあ。どうしてこれが「オエダシャク」の Macaria だったのだろう。
  • Chlorissa属
    • 画像を2つ付けただけ。
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16-08-16(火)

[]yyzz2の夏研修日記篇(前半。7/29〜8/3)。 yyzz2の夏研修日記篇(前半。7/29〜8/3)。を含むブックマーク yyzz2の夏研修日記篇(前半。7/29〜8/3)。のブックマークコメント

 というわけで,今年の夏季休業はひどかった。教員免許更新の講習と試験のためである。 文科省のHPはこうノタマッている。

目的

 教員免許更新制は、その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものです。

※ 不適格教員の排除を目的としたものではありません。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/

 たいていの教員は放っておいても,仕事で必要なことは長期休業中に勝手に勉強しているのだけれどね。妙な縛りを掛けられると,進学講習・補習ができなくなるし,わたしのような郡部の人間は移動や宿泊が時間も費用も厳しい。教員も舐められたものだという印象。

 それに「最新の知識技能」なら10年ごとではダメでしょう。もっと小まめに研修の機会を(自腹ではなしに)保障すべきに決まっている。

 というわけで愚痴半分,制度の紹介が半分。所詮は呑気な地方公務員なので,エリートの競争社会と比べるとぬるま湯なのだが,競争原理や経営管理の手法(偉い人たちは取り入れたがっているが)が上手く適合する業界ではそもそもないのである。

 

7月29日(金)。遠軽→北見→札幌。移動日。

 高校倫理の進学講習は前日にずらした。今夜の北見発の夜行バスで札幌へ行く予定。妻に北見まで送ってもらったのだが,明るいうちに帰したいので昼から出発。北見峠はフロントガラスにモンシロチョウが次々当たってくる。

 北見駅の待合で自販機のココアを買うが,手を滑らしてすべて下にこぼしてしまう。その場に居づらくなったので移動。18時頃から24時までバスの方の待合で茫然と据え付けのTVを見て過ごす。そこで見たTVドラマはすでにマンガの持つ表現力に遙かに引き離されている。ニュース番組もあきれるほど劣化している。定年まで生きられれば,蛾の文献のことだけ考えて過ごすことに当に決めている。世の中のことはどうでもいい。

 夜行バスは2台編成。利用者が多い時はそうなる。愚劣な番組に倦み疲れたわたしはすぐに寝てしまった。

 

7月30日(土)。札幌。更新講習1日目(8:50〜16:45)。

 朝6時に札幌。7:40に麻布からバスに乗る。土日なので余裕を持って間に合うバスはこれしかない。

 帰遠後に出した「研修報告書」から。心のこもらない文章でしかない。

 内容:午前は学校臨床心理の立場から「子ども」と「教育」のとらえ直しについて,午後は「児童生徒の心理と発達」として,内省機能をいかに高めるかについての講習を受けた。

 反映:生徒の心を支援していく教育の方策について,また内省機能と自己感覚の発達が日本の教育においてより一層うながされるにはどのようにすればよいか考察を行った。

 大講堂。冷房は数カ所に設置された扇風機である。講義の最後にテストがある。好き勝手なことを書いてはいけないのだろうが,日頃からこんな文章ばかりなのでTPOに合わせたものなどとても書けない。答案は書いたけれども後は知らない。

 終了後,「みよしの」(参照:みよしのさっぽろ - Wikipedia)のカレーを食べて老母の家へ。黒猫と斑の猫がいる。ほとんど会話もなくわたしは寝てしまう。

 

7月31日(日)。札幌。更新講習2日目(同上)。

 日曜なのでバスがない。6時過ぎから歩き出して30分ほどで地下鉄駅へ。老いぼれたわたしの脚はアップダウンの激しい道のりに痛みを覚えている。地下鉄とバスを乗り継いでともかくも会場の教育大に着き,昨日よりも小さい教室。でも扇風機。すでに体が疲れている。

内容:PISA・TIMSS・PIAACなどの国際的学力評価の結果比較および他国の教育の動向について学び,日本における理想の教育・学校について考察を行った。

反映:日本の教育が必ずしも不良な状態でないことを踏まえ,これからの日本の教育のあり方についての考察を行った。

 PISAとかの解説。対策を立てると結果は割とすぐに出るものらしい。日本はもうここら辺の国際学力調査から抜けるつもりかもしれないという話。それから,デンマークやオランダやドイツや中国の初等教育に関するNHKのドキュメンタリーを見る。どこにあっても教育と子供は社会の鏡であるようだ。日本の教育で最大の課題は貧困の問題だと思っているのだが,じゃあ外国ではどうかと言う話は出てこなかったし,わたしはそういう課題意識を答案に反映させる気もなかった。

 これで更新講習の「必修」部分が,合格していればのことだが,終わった。あと3つ。

 松屋で牛丼。母の家へ。すぐに寝る。

 

8月1日(月)。札幌。この日は家から出ず。

 脚が筋肉痛。足を引きずらないと歩けない。母は「句会」だそうで朝からどこかに行ってしまった。TVは何だか大画面でケーブルテレビの契約がなされていて,わたしには操作が分からない。室内はクーラーで快適である。70才近い老母は年金と貯金によってわたしよりも遙かに高い生活水準を保っている。わたしがずるずると生き延びてこの程度の生活ができるかというと,どう計算しいても「絶対」無理である。

 ほぼ寝て過ごす。いくらでも眠られる。

 

8月2日(火)。札幌。北海道高等学校「倫理」「現代社会」研究会。

 札幌資料館は,ここも冷房設備がない。窓を開けて,扇風機が4つ。

 5年ごとにやっている「高校生の意識調査」の分析報告。TIMSSでも現れていたように,北海道の高校生たちも現在の学校生活についての「満足度」が異常に高い。ソクラテスは不満足なのだから,連中はすべて愚者である。彼らの自我は「だてマスク」と「スマホ」によってタコツボ的に形成されているらしい。第二反抗期も当たり前のようになくなってきていて,従来の発達心理学のパターンも見直さねばならないだろう。

 彼らがこれからの世の中の変動にどう適応できるかはよく分からない。ビジネス雑誌のサイトと見ると,「若い社員をどう扱うか」の記事にあふれているが,いつだって悪いのは親やそれ以上の世代に決まっている。上の世代が彼らを滅茶滅茶にしそうで嫌で仕方ない。

 「みよしの」でカレー。すぐに寝る。

8月3日(水)。移動日。札幌→遠軽。

 都市間バスで帰遠。バス乗り場がどこだか分からなくなり,簡単にパニック状態になる。判断力が壊れて,手が震え始める。札幌駅からターミナルへと必死に歩いて(実際は駅前から乗車できた),なんとかバスに間に合う。

 道東に入ると植生が変わって,風景が何となく違ってくる。疲れていて何も考えられない。

 終点には妻が迎えに来ていた。切り詰めた生活を送っていたことを訴える。明日は出勤して進学講習。

 

 (クズ記事だけど終わらなかったので続く)。

 

[]Spilopera属・Synegia属・Taeniophila属。 Spilopera属・Synegia属・Taeniophila属。を含むブックマーク Spilopera属・Synegia属・Taeniophila属。のブックマークコメント

 とりあえずHPの更新を進めていく。エダシャクがあと少しなのである。

  • Spilopera
  • Synegia属
    • “Synegia”が何を調べても出てこない。経験的にフランス人がギリシアをラテンナイズするときは,近い言語だったからだろうか,発音からの綴り換えの自由度が高くなる傾向と感じている。そうと決まれば辞書を総当たりである。“κυνηγια”を見つける。「κ」を普通にラテン化すると「c」である。フランス的発音では「cy」は「シ」だから,綴りが「sy」になることはありそうである。ということで,HPではそのように解釈しておいた。
  • Taeniophila属
    • ミスジシロエダシャクの種小名“unio”の解釈が分からなくて結局両論併記にした。「うーにおー」は「オニオン」の語源だったりするので無視できない。この語には「a single large pearl (1粒の大きな真珠)」という意味もあって,だったりすると面白いのだが男性名詞なので没。
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16-08-12(金)

[]Selenia属・Seleniopsis属更新。ウスムラサキエダシャクのこと少し。 Selenia属・Seleniopsis属更新。ウスムラサキエダシャクのこと少し。を含むブックマーク Selenia属・Seleniopsis属更新。ウスムラサキエダシャクのこと少し。のブックマークコメント

 教員免許更新講習のネタは後回しにして,HPを優先。

 

 Selenia 属が少しめんどくさい。

 まずタイプ種。

 一応のタイプはヒューブナーの“Geometra illunaria”であるが,この種をFletcher (1979)はファブリキウス (1775)の Phalaena dentaria(日本にはギリギリ未分布)のシノニムとしている(「Butterflies and Moths of the World」)が,「The Global Lepidoptera Names Index」では S. tetralunaria(ムラサキエダシャク)のシノニムとしている。18世紀ものなので古くて決定版がないということらしい。

 もう1つ。

 今回『北海道の蝶蛾』にもとづき,ウスムラサキエダシャク Selenia adustaria を外した。どうやら,原記載以後北海道で確認されていないらしい。

 原記載は

Leech, 1891, DESCRIPTIONS OF NEW SPECIES OF GEOMETRAE FROM CHINA, JAPAN, AND COREA, The Entomologist. v. 24-28[suppl. ] (1891-1895), p.42 。これも古い。

Selenia adustaria, sp. n.

(...)

Two male specimens from Yesso (coll. Pryer).

(...)

Var. fusca. ─ Smaller,(...)

(...)

One male example from Yesso (coll. Pryer).

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 エゾから♂標本2体(プライアー採集)。

(...)

 fusca 変種。より小さい(...)

(...)

 エゾから♂標本1体(プライアー採集)。

http://www.biodiversitylibrary.org/page/11244352#page/48/mode/1up

 というわけで,学名いじりをやっていると常連の,明治時代横浜のイギリス人プライアーの標本が出元である。

 同じリーチの1897年の記載文もほぼ同じ。

Leech, 1897, On Lepidoptera Heterocera from China, Japan, and Corea, Ann. & Nat. Hist. S. 6, Vol. XIX, p. 205。

Selenia adustaria. (PL. VII. fig. 7.)

Slenia adustaria, Leech, Entom. Suppl. p.42 (May 1891)

Slenia adustaria, var. fusca, Leech, l. c.

Three specimens from Yesso in Pryer's collection. One of these is probably an individual of the second brood.

Hab. Yesso.

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 プライアーの採集による♂標本3体。このうちの1つはおそらくは2化の個体であろう。

 産地,エゾ。

http://biodiversitylibrary.org/item/63495#page/229/mode/1up

 新しい資料は入っていない。変種を引っ込めただけである。夏型が小振りなのはいかにもありそう。

 

 こちらが図版。

f:id:yyzz2:20160812180126j:image

http://biodiversitylibrary.org/item/63495#page/503/mode/1up

 プライアーは函館あたりには普通に採集に来ているから,昔は分布していたのではないかと言われれば証拠も何もないが,でもきっと記録のミスだろうなあ。

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16-07-28(木)

[]2週間ほど更新できません。 2週間ほど更新できません。を含むブックマーク 2週間ほど更新できません。のブックマークコメント

 明日から教員免許更新講習に行ってきます。交通費も講習費も何も出ません。完全に自腹です。道東からはるばる札幌や旭川に交通費をかけて何泊もすることと,その費用を考えると目の前が暗くなります。今は町中では1泊1万超えるからね。でも受講しないと罰金を取られて場合によっては馘首されます。

 

 どうして何の保障もなしにこんな事をしなければならないのだろう。戻ったら戻ったで,「研修報告書」を提出しなければならないし。始末書みたいな気分である。学校に残って進学講習をした方が自分にも生徒にもプラスになるのでは。教育学関係の勉強なら推薦図書をあげてくれれば幾らでも読みますので。

ケイケイ 2016/07/31 04:21 なんだか解せない制度ですよね。いったい誰が得をするのだろう?
我々も年一度の食品衛生講習会なるものに行きますが、ぜんせん意味がなく、もろに誰かが得してるのだなあと感じます。
再開、おまちしております!

yyzz2yyzz2 2016/08/10 12:45 どうもです。無事に帰ってきました。
勉強自体は楽しいのですけど,もっと金銭・時間を保障して欲しいです。
夏休みの土日に講義をする教授も被害者ですね。

テストを受ける側のツラさを忘れないように,ということなのかもしれません。

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16-07-26(火)

[][]『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(4) Index。 『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(4) Index。を含むブックマーク 『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(4) Index。のブックマークコメント

 迷走しているのだけれども,考えなしに行き当たりばったり調べごとをしているので仕方ない。モフェット(Thomas Moffet 1553-1604)*1の『昆虫の劇場』(1634,死後出版)については発刊まで波瀾万丈の経緯があって,しかも複数の資料提供者たち(Wotton,Gesner,Penny)が,またそれぞれ結構面白かったりして困る。

 そういった事どもを(わたしにとっては楽しいのだが)記述しているとそれだけで数ヶ月は確実にかかる。わたしはすでにアリストテレスと大プリニウスからそのことを学んだのであるから,同じ過ちを繰り返してはなるまい。

 

 確認。本項の目的は,「博物学ブーム」以前の17世紀初め,昆虫学書の端緒に位置する『昆虫の劇場』の「蝶蛾について」(および幼虫関係の章)を紹介することにあったのだった。

 

 でも,せっかくだから,目次から始めよう。補遺の図版3ページを入れれば330ページの大著である。全訳する気はぜんぜんないのだが,鳥瞰しておく価値はあるだろう。

 この目次を見てワクワクテカテカする人*2はちょっとアレなのであって,ナンジャコレハとヘキエキする人の方がまともである。

 ちなみに,目次のタイトルと,本文の章題とは微妙に異なっている箇所が幾つもあるのだが,ここでは目次に従う。また『昆虫の劇場』には1658年にJ. Roland による英訳がある(この早さを見ると,『劇場』はかなり評判になったのだろう)で,そちらも少し参考にしている。何だか分からないギリシア語の昆虫名については,アリストテレス,『動物誌』,島崎三郎訳の解説を一部参照している。それでもまだ間違いがありそう。ご指摘いただければ幸いである。

 使用テクストは,以下ことわりのない限り,「The Biodiversity Heritage Library」から,Moffett, 1634, Insectorum sive minimorum animalium theatrum である。

 

<第1巻>

目次タイトル訳 [ ]はyyzz2註
IDe Apum nomine, descriptionn et differentius.ミツバチの名称,説明,種類について。
IIDe politicis ethicis et oeconomicis Apum virtutibus.ミツバチの社会,習俗,生計の能力について。
IIIDe creatione, generatione, et propagatione Apum.ミツバチの誕生,世代,繁殖について。
IIIIDe Apum usu.ミツバチの利用法について。
VDe mellis nomine, differentia, et usu.蜂蜜の名称,種類,利用法について。
VIDe cera, propoli, commosi, pissocera, erythace, earumque natura et usu.蜜蝋,プロポリス,コンモシス,ピスソケロス[上記3つは巣材],エリタケー[ハチの食用となる花粉団子],それらの本性と利用法について。
VIIDe Fucis et Furibus.雄バチと強盗バチについて。
VIIIDe Vespis.スズメバチについて。
IXDe Crabrone & Tenthredine.クラーブロ[モンスズメバチ?]とテントレド[スズメバチの一種?]について。
XDe Muscis.羽虫[英語圏におけるいわゆる fly。ハエ,アブ,コバチ,トンボなど]について。
XIDe Muscarum diffcrentiis.羽虫の種類について。
XIIDe muscarum usu.羽虫の利用法について。
XIIIDe Culicibus.蚊について。
XIIIIDe Papilionibus.蝶蛾について。
XVDe Cicindela.ホタルについて。
XVIDe Locusis.イナゴについて。
XVIIDe Cicadis & Gryllis.セミとコオロギについて。
XVIIIDe Blattis.ゴキブリについて。
XIXDe Bupresti & Cantharide.タマムシとハンミョウ[現在のハンミョウよりも広い範囲の甲虫をさす]について。
XXDe Cantharide.ハンミョウについて。
XXIDe Scarabeis.甲虫について。
XXIIDe Scarabeis minoribus.小型甲虫について。
XXIIIDe Prescarabeo & Scarabeo Aquatico.ツチハンミョウと水棲甲虫について。
XXIIIIDe Gryllotalpa.ケラについて。
XXVDe Pyrigeno.火から生まれる動物について。
XXVIDe Tipula.ミズグモについて。
XXVIIDe Forficula,sive Auricularia.ハサミムシ,すなわち耳虫[人の耳の中に入ると考えられていた]。
XXVIIIDc Scorpio Formica & Pediculis Alatis.サソリ,アリ,有翅のシラミについて。
XXIXDe Cimice Sylvestri Alato.森の有翅のシラミについて[図版ではカメムシ]。

<第2巻>

目次タイトル訳 [ ]はyyzz2註
IDe Erucis earumque differentiis & nominatim De Seribus & Bombycibus.イモムシとその種類について,とりわけカイコのイモムシとカイコについて。
IIDe reliquis glabris Erucis.それ以外の無毛のイモムシについて。
IIIDe Erucis hirsutis atque pilosis.剛毛,特に多毛のイモムシについて。
IIIIDe ortu, generatione, alimento, & Metamorphosi Erucarum.イモムシの発生,世代,食物,変態について。
VDe Qualitate & usu Erucarum earumque Antipharmacis.イモムシの特性と使用法,その薬効。
VIDe Sphondyle.スポンデュレー[不詳]について。
VIIDe Staphylino.スタピュリノス[不詳。ハネカクシ? ハンミョウ?]について。
VIIIDe Scolopendris & Iulis.ムカデとヤスデについて。
IXDe Asellis.ワラジムシについて。
XDe Scorpiis terrestribus.陸棲のサソリについて。
XIDe Araneorum nomine differentiisque.クモの名称と種類について。
XIIDe Araneis noxiis sive Phalangiis.有害なクモ,すなわちファランギア[ドクグモ]について。
XIIIDe Aranco Cicure sive domestico.大人しい,すなわち家にいるクモについて。
XIIIIDe certis quibusdam Araneorum speciebus ab authoribus observatis.著者によって観察されたある種類のクモについて。
XVDe generatione, Coitu, & usu Araneorum.クモの世代,交尾。利用法について。
XVIFormicarum Encomium, in quo differentia, Natura, ingenium, earumque usus describitur.アリへの賞賛,そこにおいてその種類,本性,能力,利用法が説明される。
XVIIDe Cicindela, & Meloe faemina, atque Anthreno, & Asello aruense.ホタル,雌のメロエー[おそらくツチハンミョウではなくホタルの類],ならびにアントレノー[不詳],畑のワラジムシ[不詳]について。
XVIIIDe Vermibus mineralibus hexapodis.鉱石の六脚のウジについて。
XIXDe Vermibus vegetabilium hexapodis, & primum de Arboreis.植物の六脚のウジ,はじめに樹木のものについて。
XXDe Vermibus Fructuum,leguminum, frumentorum ,Vitis, Herbarum.果実,豆,穀物,ぶどう,香草のウジについて。
XXIDe usu Vermium Mineralium vegetabiliumque, ac eorum perdendorum ratione.鉱石と植物のウジの利用法,ならびにその駆除方法について。
XXIIDe animalium vermibus hexapodis, & primum de pediculis hominum.動物の六脚のウジ,はじめに人間のシラミについて。
XXIIIDe Pediculis Brutorum & plantarum.獣と植物のシラミについて。
XXIIIIDe Syronibus, Acaris Tineisque animalium.動物のシュロン[ヒゼンダニ],アカリス[ダニ],ティナエ[イガ]について。
XXVDe Cumice.トコジラミについて。
XXVIDe Ricino, & Reduvio.マダニとレデュヴィス[ヒツジジラミ?]について。
XXVIIDe Tinae vestivora.衣服を食べるシラミ[イガ]について。
XXVIIIDe Pulice.ノミについて。
XXIXDe Apodis sive Depedibus Insectis: Ac primum de Terra Intestinis.無脚動物すなわち脚のないものについて。はじめに土中のものについて。
XXXDe Animalium Lumbricis.動物につくミミズについて。
XXXIDe Lumbricorum Intestinorum description.腸内のミミズの説明について。
XXXIIDe Lumbricorum Intestinorum ortu.腸内のミミズの発生について。
XXXIIIDe Signis & curatione Lumbricorum ex Gabucino.ガブキヌス[医師]によるミミズの症状と治療について。
XXXIVDe Lumbricis extra Intestina nascentibus, & praesertim de Eulis.外で生まれるミミズ,とりわけウジムシについて。
XXXVDe Lendibus.ケジラミについて。
XXXVIDe Aureliis & Teredine Depede.脚のない蛹とテーレドネス[不詳。木に棲むウジ]について。
XXXVIIDe Aquaticis Insectis depedibus & primum de Squilla.脚のない水棲昆虫,はじめにエビについて。
XXXVIIIDe Locusta,Scorpio, Notonecto, Cicada, Anthreno, Forsicula, Lacerta, Corculo, & Pediculo aquatics.水棲のイナゴ,サソリ,ノトネクトス[背中で泳ぐもの],セミ,アントレーノ,フォルシキュルス[二叉のハサミを持つもの],トカゲ,コルキュロス[不詳。直訳すれば「小さな心臓」。英訳はそうしている],シラミについて。
XXXIXDe Pulice sive Asello & Scolopendra marinis.海棲のノミすなわちワラジムシと,ムカデについて。
XLDe Insectis aquaticis Depedibus, ac primum de Oripe.脚のない水棲昆虫について,はじめにオリペス[トビムシ?]について。
XLIDe Hirudine.ヒルについて。
XLIIDe Lumblcis Aquaticis.水棲のミミズについて。

 

 基本的に「長っぽくて小さい(脚のあったりなかったりする)もの」はウジである。「長くて大きいもの」ならヘビ(serpent)に分類される。ヘビもドラゴンもにょろにょろした魚も図版を眺めていると,当時はすべてセルペントである。昆虫だって,そんな話の流れの中に置かれておかしくない。

 "insect"のみを単独で取り上げたモフェットは,それことだけでも,ルネサンスの動物学からは一歩を踏み出した人物と言えるだろう。

  

[]Scionomia属更新。 Scionomia属更新。を含むブックマーク Scionomia属更新。のブックマークコメント

  • Scionomia属
    • ウスグロエダシャクの類。タイプ種の S. mendica は「乞食の」である。さすがにバトラー先生の命名は容赦ない。

再掲。これは S. anomala。

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 原記載文は「非常に distinct だが,dull-looking な種である」で締めくくられている。卓見なのだろうねえ。

 

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*1:この人物は綴りが一定していない。Moffet, Mouffet, Muffet の他,”f”や”t”の数も2つだったり1つだったりする。当ブログでは最も簡単な”Moffet”を用いる。とはいえ,スペルを見る限り「ムフェット」の方が正当なカナ表記かもしれない。

*2:例えばわたし。だって面白そうである。ミツバチについてはアリストテレスや大プリニウスでお腹一杯ではあるが。

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16-07-24(日)

[]クワゴマダラヒトリ。 クワゴマダラヒトリ。を含むブックマーク クワゴマダラヒトリ。のブックマークコメント

 朝から Moffet の『Theatorum』の目次の訳をやっていて,虫の名前ですっかり嫌になった。

 Cantharidos なんかはこちらの常識ではツチハンミョウやらカミキリモドキやらの柔らかい甲虫のことなのだが,そうではないらしい。シラミとダニとダンゴムシをどう使い分けているのかも分からない。謎の虫も多い。本文を読んでもよく分からない。

 アリストテレスの原典を調べ直さないとらちが開かないらしい。そんなことやってられないなあ。見切りで更新してしまって後から直す手もあるのだけれども,「目次」は没にするのが正しい態度だろうなあ。

 

 ところで,わたしが撮れというものだから,妻がたまに蛾の写真を撮る。

 7月23日。

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 クワゴマダラヒトリの交尾。ちょうどクワゴマダラの旬らしい。

 

[]Scardamia属更新。 Scardamia属更新。を含むブックマーク Scardamia属更新。のブックマークコメント

  • Scardamia属
    • ハスオビキエダシャク。未見である。属名の由来は一つも分からない。例によってフランス訛りの人名の可能性が高いのだが,Gallica を漁っても不明。種小名 aurantiacaria の「aurantiacus」も辞典に全然載っていない。「生物学名辞典」や「動物学ラテン語辞典」のような2次的辞典には出ている。あまり気持ちはよろしくない。

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 なんだか不完全燃焼ですっきりしない休日だった。

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