萬葉集 巻第一 17 長歌 額田王 味酒三輪の山 あをによし 奈良の山の山の際に い隠るまで道の隈 い積もるまでにつばらにも 見つつ行かむをしばしばも 見放けむ山を心なく 雲の隠さふべしや 最新全訳古語辞典(東京書籍)の訳 三輪の山が、奈良の山々の、山の重なりの向こうに隠れてしまうまで、道の曲がりが幾重にも重なるまで、存分に何度も見ていきたいのに、幾度でも仰ぎ見たい山なのに、無情にも雲が隠し続けてもよいものか。 額田王 意訳 題詞:額田王が天智天皇と不倫旅行をする時の長歌 作者:額田王 あなた(天智天皇)は、私を遠くへ連れ出すために、夫(大海人皇子)や子どもを遠くへ引き裂いて、美酒の里、三輪ま…