訓読 >>> 4298霜の上にあられたばしりいや増しに我(あれ)は参(ま)ゐ来む年の緒(を)長く 4299年月(としつき)は新(あら)た新たに相(あひ)見れど我(あ)が思(も)ふ君は飽(あ)き足らぬかも 4300霞(かすみ)立つ春の初めを今日(けふ)のごと見むと思へば楽しとぞ思ふ 要旨 >>> 〈4298〉霜の上に霰(あられ)が飛び散るように、いよいよ繁く私は参上しましょう、幾年も長く 〈4299〉年月は改まるごとに巡り会えますが、お慕いする我が君は、いくらお逢いしても見飽きることがございません。 〈4300〉春の初めのめでたい時を、今日のようにこれからもお逢いできると思うと楽しゅうございます…