一条真也です。たった一字に深い意味を秘めている文字は、世界でも漢字だけです。そこには、人のこころを豊かにする言霊が宿っています。その意味を知れば、さらに、こころは豊かになるでしょう。今回の「こころの一字」は、「自」です。 坂本龍馬は幼少のとき、コンプレックスの塊であったといいます。自分は頭が悪いと信じていたのです。これは子どもの頃の塾の先生によって植えつけられました。先生が龍馬の物覚えの悪さに驚き、「とても預かることができない」と教授を断ってきたほどでした。 龍馬の器量は、なまじの教師ではとても推し量ることができなかったわけですが、このとき少年の心には劣等感が芽生え、周囲の軽蔑の視線が痛いほど…