朝、目が覚めた。いや、正確には目が覚めてしまった。 もう少し眠っていたかったけれど、体の中にある何かが「起きろ」と命じてくる。 寝ているときだけが唯一、何も考えずにいられる時間なのに。 カーテンの隙間から差し込む光が目に痛い。スマホを手に取るけれど、通知はほとんどない。誰かと繋がりたい気持ちはあるのに、誰とも関わりたくない。 SNSを開けば、他人の幸せそうな投稿が流れてきて、それを見るだけで心がどんどん沈んでいく。 「何のために生きているんだろう」 この言葉が頭の中をぐるぐると回る。 毎日同じことを考えて、同じことを感じて、それなのに何も変えられない。 布団から出ることすらできずに、時間だけが…