はじめに 「私たちはなぜ過去を持つのか?」 ──この問いの答えは、すべて「記憶」にあります。記憶がなければ、昨日も、数分前の出来事も存在しません。記憶とは、単なる"思い出"ではありません。それは、生きることそのものに直結した、生命のしくみです。そして、私たちが「時間」を持つのも記憶があるからです。 このブログでは、記憶を「心」と「体」の両面から探り、さらに「忘却」という重要なプロセスにも光を当てながら、記憶の本質を考えていきます。 1. 記憶とは何か? 1-1. 記憶の分類と意味 生物学的に見ると、記憶とは「過去の情報を保存し、それを未来に活かすシステム」です。この機能があるからこそ、私たちは…