「じゃあ、ジョギングしてみましょっか。」 ある日の理学療法中に担当の眼光ニキが言い放った。 いやいや、展開が早すぎませんか・・? 先日確かに退院までにジョギングができるようになるといいっすねぇと言っていたが、数日しか経っていない。 この展開の早急さ、少年ジャンプの打ち切り間際か! リハビリ室を出て廊下に移動する。直線で100m近くあり、人通りもほとんどないため練習にはちょうど良い。が、全く走れるイメージが湧かない。脳梗塞で右脚が不自由なため、歩行する分には支障がないが、ジョギングとなると脚の回転数が追い付かないのだ。 眼光ニキが僕のわきの下を背後から支え、転倒しないようにサポートする。 (こけ…