「こんな話を書いてほしいんですけど…これはエンタメになりますか?それとも純文学?」 お問い合わせの初期段階で、こうしたご質問をいただくことがあります。ジャンルの呼び名にこだわる必要はないのですが、依頼者の方にとっては、自分の構想がどの系統に属するかを知っておくことで、完成後のイメージを掴みやすくなるのも事実です。 では、「エンタメ小説」と「純文学」の違いとは何でしょうか。実は、出版業界でも明確な線引きがあるわけではありません。しかし、読者層や目的、読後感の傾向には明らかな違いが見えてきます。 エンタメ小説は、読者の没入感を重視した物語です。展開のテンポが早く、主人公が困難を乗り越えていく「起承…