前回記事の補遺です。 まず、辻直四郎の「まえがき」。 本書は古来インドで文法の三聖と仰がれる大文法家パーニニ(Pānini ,前5世紀), その補修者カーティアーヤナ(Kātyāyana)および大注釈マハーバーシア(Mahābhāsya)の著者パタンジャリ(Patañjali,前2世紀中葉)によって規定され,その流れを汲むパーニニ学派の人たちに継承された古典サンスクリット(古典梵語Classical Sanskrit)の概略を記述した文典である. 本書は一方において古いヴェーダ(Veda)の言語(Vedic)に関説せず, 他方において二大叙事詩マハーバーラタ(Mahābhārata)とラーマー…