254.シャイロックの子供たち/池井戸潤 胸に抱いていた悩みか、怒りか、はたまた絶望か。そんな、割り切れず、はけ口もない感情があったはずだ。(p.168) シャイロックの子供たち 作者:池井戸 潤 文藝春秋 Amazon とある銀行の支店で起こった不可解な現金紛失事件をきっかけに、さまざまな銀行員の視点から行内に漂う不穏な空気と隠された秘密が露わにされていく、池井戸潤の連作短編集。 10人の異なる銀行員が語り手となり、東京第一銀行・長原支店を舞台に繰り広げられる人間ドラマとそれぞれが抱える苦悩が描かれる群像劇となっている。 支店の成績、個人のノルマ、身近な人間関係など、一人ひとりが異なるプレッ…