― 感情消費から距離を取るということ 「スカッと系動画」を、私は特に腹も立てずに見ることができた。快とも不快ともつかない、奇妙な距離感のまま、ただ眺めていた。 これは道徳的に優れているからでも、冷笑的だからでもない。むしろ理由は単純で、感情に回収される手前で、観察者モードに入っていたからだと思う。 感情に回収されない視点 スカッと系動画の多くは、構造が決まっている。 理不尽な悪役が登場する 被害者が耐え忍ぶ 最後に痛快な逆転が起こる 視聴者は、怒り → 共感 → 快感、という感情の導線に自然と乗せられる。だが私は、その導線を「乗るもの」としてではなく、「敷設されたもの」として見ていた。 このと…