かつて黄金期があった。 といっても、佐渡の金山の話ではない。 東北の砂金話でもないし、1940年代後半のアメリカ合衆国西海岸のことでもない。 ましてやサッカーの若手世代のことでもないし、アニメの話でもない。 これはミステリについての話である。 だが、日本の「新本格派」についての話でもない。 英米などの1920-1930年代の探偵小説(特に本格推理小説)の黄金期のことだ。 Golden Age of Detective Fiction その時期の多くがイギリス人で、 アントニー・バークリー(別名フランシス・アイルズ, 1893–1971), ニコラス・ブレイク (1904–1972)、 G. K…