デシベル計算

対数の定義 指数法則がわかったら対数の定義の解説に入ろう。 音響学を学ぶ人はlogの計算で躓くことが多い。 対数公式は覚えるだけだと応用問題に手が出せなくなってしまう。 まずは、落ち着いて基礎から勉強していこう。 数学的に細かい説明はしないけど、 上の図の四角枠の部分がルールだ。 指数を用いて上式のように表せるとき、 対数を用いて下式のようになる。 下式では、pは「aを何乗したらMになるか」を表す。 a、M、p、文字が色々出てくるけどまだ焦らないこと。 登場人物のイニシャルみたいなものと考えておけばいい。 どれも変数でxやyみたいなものという認識でOK。 後述するが、音響学ではa=10として計…

指数法則 投稿106から６回で指数法則についてを解説している。 指数法則に詰まったら投稿106まで進もう。 前回の記事では単位と補助単位の表を解説した。 今回はデシベル計算の基礎ということで、1回目のPDFを一部紹介する。 音圧から音圧レベルを計算する公式はこのように表される。 高校数学から離れている人だと突然公式を言われてもわからない。 logって何？ が音圧比？ となるのも無理はない。 私だって政治の三権分立の仕組みを正しく理解していない。 暫く触れていない分野や不得意科目は忘れやすいものだ。 さて、テキストや資料にはlogの掛け算は足し算に変形できると書いてある。 それがさらに混乱を招く…

単位と補助単位 音響学で躓く一歩目、単位換算。 音響学を勉強すると、μPaやmPaやPaといった単位に惑わされる。 でも、この表があれば大丈夫！ この表は右に行くほど値が大きく、左に行くほど値が小さい。 右に1マス移動すると10倍大きくなる。 左に1マス移動すると1/10に小さくなる。 オレンジのマスは基準値であり、 右に3マス進むと1000倍、左に3マス進むと1/1000になる。 表の103というのは1000倍を表している。 桁をたくさん移動する場合には、1000000よりも106の方がミスしにくい。 例えば、1kmならk（キロ）は103倍なので、×103を後ろに書けば良い。 1kmは1×1…

音響学の相談室 音響学に苦戦するのは、言語聴覚士を目指している方がほとんどだろう。 言語聴覚士の国家資格の範囲の一部に音響学が含まれるが、 それよりも大学や専門学校で単位を取得するのが厳しい。 勉強が大変だけど必修科目だから避けては通れない。 それが音響学なのである。 数学・算数が苦手な方や文系出身の方は、 おそらくデシベル計算で躓くだろう。 教授や講師は高校数学や物理の知識を前提に説明するし、 プリントもテキストも記述がわかりにくい。 理系講師ですらこうなのだから、 文系の方にはさっぱりわからないだろう。 なぜ理系講師の私が音響学を教えているのか。 それは生徒に依頼されたからである。 最初に…

期末テスト3 今回は計算問題。 ある音圧レベルを45dB増幅し25dB減衰させると0dB SPLになった。 そのときの音の音圧を聞かれている。 ヒント： まずは、元の音圧レベルを求める。 元の音圧は与えられていないのでA dB SPLとしよう。 Aに45を足して25を引いたら0になった。 この方程式を作り解く。 A+45-25=0 A+20=0 A=-20 A=-20dB SPL、 つまり最初の音の音圧レベルは、-20dB SPLということがわかった。 次は、音圧レベルから音圧を計算する。 音圧レベルを求める式のdB SPLに-20を代入する。 dB SPL= -20= -1= -1= = こ…

過去問㊸ 今回から５回連続で線形増幅の計算問題。 今回は音圧レベルが60dBの複合音を線形増幅器で20dB増幅した音圧を計算する。 大前提として、 音圧レベルの単位はdB SPLで、音圧の単位はPaだから、 直接計算することはできない。 dBならdB、PaならPaで単位を統一しないといけない。 今回の問題では音圧レベルと増幅がdBで与えられていて、 音圧を聞かれている。 ということは、dBで計算して最後にPaに単位を変換する必要がある。 音圧レベル→音圧の変換の復習範囲は、 デシベル計算の応用範囲だ。 まず、60dB SPLを20dB増幅するので、 60+20=80dB SPLになる。 あとは…

指数法則⑥ 投稿106～投稿110で学んだ指数法則の公式を使って問題を解いてみよう。 投稿109の式1～式5にそれぞれ順番に対応している。 ①～⑤まではすぐ解けるだろう。 ⑥で多くの人が悩む。 「０乗って何だっけ？」 公式を見ても０乗について載っていない。 でも、問題に出すということは勉強したはずだ。 さて、指数法則の何回目で解説しただろうか？ どうしても思い出せない人のためのヒント。 投稿109の例１①を復習しよう。 今回で指数法則の解説は終わり。 指数法則について理解できたら投稿002の対数に戻ろう。 次回からはより実践的な問題を解いてみよう。 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ どんな数も文字も0乗…