大好きな『フロリダ・プロジェクト』のショーン・ベイカー作品。 ずっと「これがパルムドールぅぅぅ...?」と思いながら見ていたのだが、ふりしきる雪の中の車内のラストカットで突如として名画に豹変する。終わりよければすべてよしのフォース。人同士がつながれるかどうかは同じ「言語」を使っているかどうかが重要。 ロシア語で丁寧に挨拶したアノーラに対し、母親はアクセントがあっても終始英語で通して壁をはりめぐらせる。名前を奪われることの意味を描くのも、聖書から『千と千尋の神隠し』などにも通底する興味深いテーマだ。たとえ「アメリカ人は名前に意味を持たせない」としてもね。出始めから『コンパートメント No.6』の…