ベルリンのNeue Wache(ノイエ・ヴァッフェ)は、Unter den Linden(ウンター・デン・リンデン、リンデン大通り)にあり、非常に端正で美しく、強い印象を残すモニュメントである。 もともとはプロイセン王国の「衛兵所」として建てられた軍事施設だ。 その建物を「ファシズムと軍国主義の犠牲者」を慰霊するモニュメントに転用したこと自体、ドイツの歴史を象徴している。 中央にはケーテ・コルヴィッツのピエタ『死んだ息子を抱く母』が置かれ、戦争や暴政が人間にもたらす喪失を、厳かなかたちで表現している。 天井から差し込む光の下で、母親は死んだ息子を抱く。 国家も英雄も勝利も救いもない。 ただ、奪…