ポプラ社(2011) 【あらすじ&ひとりごと】 大島真寿美さんの『ピエタ』。 18世紀絢爛の水の都ヴェネツィアを舞台にした、とても美しい作品でした。 『ピエタ』というタイトルからは、ミケランジェロの彫刻像を私は最初に思い出す。 イタリア語で「哀れみ、慈悲」。 ページを開くと、それが孤児を養育する「ピエタ慈善院」であることに気付きます。 物語は、ピエタ慈善院で育ったエミーリアという女性の視点で描かれる。 ピエタで音楽の才能に秀でた女性だけで構成する「合奏・合唱の娘たち」を指導していた『四季』の作曲家であるヴィヴァルディの訃報がエミーリアに届くところから始まっていく。 そして、教え子であるエミーリ…