他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由。
[広辞苑第五版]
個人的な日常生活や社会行動を他人に興味本位に見られたり干渉されたりすること無く、安心して過ごすことが出来る自由。
[三省堂 新明解国語辞典]
家庭の内情や夫婦の寝室などのように純然たる私生活・私事に属する事項。他人の干渉やのぞき見からこれを保護することが個人の尊厳を尊重する思想の下では要請される。個人が他人に煩わされずに幸福を追求する権利は憲法上の権利であり〔憲法13条〕、この種の権利はプライバシーの権利と呼ばれ、人格権の一つであるとされる。
プライバシーを侵害すると不法行為〔民法709条〕になるが、その要件については、報道の自由・表現の自由との調整上微妙な問題を生じる。宴のあと事件の第一審判決は、我が国で初めて、プライバシーの侵害が不法行為になることを認めた。
[法律学辞典 第三版 有斐閣]
プライバシーの起源としては、1890年にアメリカのS.D.WarrennとL.D.Brandeisが論文『The Right to Privacy』(プライバシーの権利)の中でプライバシー権とは「the right to be let alone」(一人にしておいてもらう権利)であると定義したのが始まりといわれている。
近年では情報化に伴い、「Individual's right to control the circulation of information relating」(自己情報コントロール権)が重要視されている。
これらの定義は、かなりあいまいであるので、1960年のWilliam L. Prosserの論文「Privacy」で定義されているプライバシーの「侵害」の4つの分類をひっくり返してみるとわかりやすいかもしれない。
また、個人情報の既存の分類として、オスカー・ガンジーやワックスの分類が興味深い。「センシティブ情報」などの表現はワックスの定義からきている(参考:個人情報論序説)