「当たり前」を「ありがたい」と思えるか 娘の彼氏、ねすたを大分県・安心院の農家民宿に連れて行った。 生まれも育ちも東京のねすたにとって、ここでは、あらゆるものが初体験。 とりわけ、薪で沸かす五右衛門風呂には驚いた様子だった。 ねすたが風呂に入っている間、寒空の下、民宿の女性が薪をくべてくれた。そのことを知ったねすたは、彼女に「ありがとうございました」とお礼を言った。おぎゃあ、と生まれて20年。風呂に入った後、誰かに感謝の言葉を伝えたことってあっただろうか。 蛇口をひねれば、お湯が出る。 ふだんあまりに身近すぎて、気にとめることはない「当たり前」を「ありがたい」と思えるかどうか。これからの長い人…