きちんと本が読めないのです あれよあれよと読んでしまう あれよあれよにも種類があるのです いやだ、ズルしちゃ駄目よという感じでしょうか 内容とか筋はどうでもいいです きちんと本が読めないのです 一日の大半を過ごす居間のテーブルには、PC脇に何冊かの本が置いてあるのですが、好きな本はこちらに目くばせを送っているように感じられることがあります。 『聖耳』、『魂の日』、『野川』、『仮往生伝試文』、『杳子・妻隠』。このところ古井由吉の本ばかり読んでいて、他の作家の本を手に取る気になりません。そういうふうに融通のきかないところが私の欠点なのです。それは分かっているつもりです。 私にはもう一つ欠点がありま…