およそ三年半のコロナ禍を経て、私たちは多くのものを棄てた。 棄ててようやく学んだ。 生きていく上で必要なものはほとんどない、 なくしても誰も困らない、むしろ楽なくらいだと、という話。(写真:フォトAC) 【社会関係のスリム化、巨大な社会実験】 東日本大震災が残した教訓が「人の命は儚い」と「ひとはひとりでは生きていけない」だったのに対して、コロナ禍が残したものは「生きていく上でほんとうに必要なことはあまりない」「ひとはひとりでも生きていける」ということでした。いま自分の周辺に存在するものの大部分は、なくても、とりあえず誰も困らない、むしろ楽なくらいだと。 日本で一例目の患者が出た2020年1月か…