東京23区内で未発見の旧町名の痕跡を探索するにおいて、その手がかりは決して見えやすい場所に残っているわけではない。むしろ、都市の隙間や、建物の物陰にひっそりと隠されていることの方が多い。 これまで文京区内を歩き回り、旧町名の痕跡はもう発見され尽くされているのではないか、という思いがどこかにあった。しかし、小石川の路地で遭遇した遺構は、そんな認識を鮮やかに塗り替えてくれた。 地元企業・エーザイが残した「表町」 歩みを進める中で、ふと視線を向けた建物の側面。その物陰に隠れるようにして、古い壁面に一枚の青いアルミ板が留められていた。 そこには、はっきりと**「文京区 表町 79番地」の文字、そして下…