柳田国男を歩く 遠野物語にいたる道 表紙 柳田国男を歩く 遠野物語にいたる道 井出孫六 著 岩波書店 発行 2002年11月28日 第1刷発行 出生地の辻川から、遠野物語までの柳田国男の足取りを、著者自身も訪問しながらたどっています。 日本一小さい家 柳田国男は、福沢諭吉や森鷗外がそうであったように、少年時代に生まれ故郷というものから物理的に引き裂かれてしまった明治人の一人だ。 『定本 柳田国男集』の総索引で彼の生地「辻川」を引くと、わずかに一か所しか出てこない。 しかし『故郷七十年』『故郷七十年拾遺』により、彼の原風景は語り残されることとなった。 田山花袋や島崎藤村も柳田と同じ明治十年代、一…