心地よい風が吹く昼下がり、部屋でアイスクリームを食べながらスマホで音楽を聴いていた。 どんびえという金属容器を冷凍庫に冷やしておいて、材料を入れて手で回すとアイスクリームが出来るという便利な道具があり、その容器にさじを直接入れて存分に食べていた。しあわせな瞬間である。 テーブルに置いたスマホから流れていた音楽は、10代のころよく聴いた森田童子だ。 その曲を聴きながら、乾電池も使わず、スマホでどこででも音楽が聴けるようになるなんて森田童子は知らなかっただろうな、と思っていた。 食べたいと思ったときにアイスクリームが食べられ、聴きたい時に聴きたい曲が聴けるなんて、何て便利な時代になったんだろうな、…