保守性

エンジニアとして仕事をしていると、「処理を共通化しなさい」という言葉をよく耳にすることがあると思います。 確かに、共通化することで保守性や再利用性が向上するなど、多くのメリットがあるのは間違いありません。 しかし、なんでもかんでも闇雲に「共通化」することが必ずしも良いとは限らないのではないかと感じています。そこで、今回はその点について少し考えを整理してみました。 過度な共通化の問題点 全く同じ処理を共通化すること自体には、特に問題はないと思います。 問題が生じるのは、似ている処理を無理に共通化しようとする場合です。 似ている処理を共通化する際、どうしても異なる箇所を含めなければならなくなります…

ソースコードの複雑性を表す基準として、循環的複雑度という指標があります。この循環的複雑度はどれくらいの設定値にするのが適切なのかをまとめておこうと思います。 循環的複雑度とは 循環的複雑度はThomas J. McCabe氏によって1976年に考案された指標です。この値はソースコードの複雑性を示すものであり、この値を測定し、低い値を保つことで、ソースコードの保守性を高い状態で維持することができます。 循環的複雑度の目安 循環的複雑度の基準は、対象としているソフトウェアの複雑性や、ドメインの複雑性などに左右されます。そのため、絶対の数値というものはありませんが、書籍などで紹介されているものの一部…

保守性バイアス（conservatism bias）は、人々の意思決定や判断において、既存の情報や信念を過度に重視する傾向を指します。保守性バイアスの影響を受けると、新しい情報や証拠を受け入れるのに時間がかかったり、既存の信念や予測に基づいて判断する傾向があります。 このバイアスは、認知的な努力を減らすために起こる場合もあります。新しい情報を評価するためには、既存の信念や予測を修正する必要がありますが、それは認知的なエネルギーや時間を必要とする作業です。そのため、人々は保守的な立場をとり、既存の信念を守ろうとする傾向があります。 保守性バイアスは、さまざまな領域で見られます。例えば、株式市場に…

「火星の自律走行車」は、かくして完成した：NASAが打ち上げる火星探査機「パーサヴィアランス」ができるまで @wired_jp https://wired.jp/2020/07/26/how-nasa-built-a-self-driving-car-for-its-next-mars-mission/… 「パーサヴィアランスのメインコンピューターは、1997年製の高性能PCとほぼ同じくらいの性能にとどまる。」というよりもとどめてある。 それは、絶対に動かなければならない部分には、何十年も、様々な場面で使われて、バグが無くなっていると期待できるものを使うという判断によるものだ。枯れた技術をバカ…