日本の医療費の全体像を捉える統計に、メディアでもよく取り上げられる「国民医療費」(厚生労働省)がある。 令和4年(2022年)度の国民医療費は46.7兆円。国民医療費は人口減少局面に入った後も、高齢化が進む中、ほぼ右肩上がりで増加している。 国民医療費には、保険診療の費用のほか、柔道整復師やあんま・はり・灸等の治療費などが含まれる一方、OTC薬・市販薬購入等国民の「セルフ・メディケーション」により発生する費用や、健診・人間ドック、予防接種といった「予防」のための費用、あるい評価療養(先進医療等)の費用は含まれていない。 厚生労働省によれば、国民医療費の98%は保険診療の費用が占めているとのこと…