第21帖 乙女3です🪻 故太政大臣家で生まれた源氏の若君の 元服の式を上げる用意がされていて、 源氏は二条の院で行なわせたく思うのであったが、 祖母の宮が御覧になりたく思召すのがもっともで、 そうしたことはお気の毒に思われて、 やはり今までお育てになった宮の御殿でその式をした。 右大将を始め伯父君《おじぎみ》たちが 皆りっぱな顕官になっていて勢力のある人たちであったから、 母方の親戚からの祝品その他の贈り物もおびただしかった。 かねてから京じゅうの騒ぎになるほど 華美な祝い事になったのである。 初めから四位にしようと源氏は思ってもいたことであったし、 世間もそう見ていたが、まだきわめて小さい子…