絶望とは、何かを望んだ末の崩壊である。今日私たちは日々不安、孤独、閉塞感との戦いを余儀なくされ、何かを望む余裕すら持てなくなっている。日常的に人生の先々における正解を植え付けられ、それに乗れないと失敗と烙印を押され、誰かに話しかけても、目の前の人間より、ポケットに入れて持ち歩けるほどの小さなガラス板の先に目と耳を傾けられ、20世紀の壮大な社会実験を経て、最善のモデルを選び取ったために、合理的ではないまま頭打ちとなった社会。希望はもちろん、絶望すら抱けず、ただ生きる事だけが続く。 希望も、怒りも、語り合う相手も存在せず 「お前には何もない、何も感じない、それでいい」と沈黙がささやいてくる。自我の…