文面を洗う。曲もちょうど頭に戻る。 内容を簡潔に言えば、衣装デザインの発注である。着用者は有名な人物らしい、何十点かのサンプル品の制作が仕事を引き受ける最低条件で、しかもそのラインを突破しても報酬は支払われるらしいのだ。一体どういった了見だろうか、玉井は肘をついて、画面を見つめた。 何を言っているのだろうか、という疑問が生じれば、それは何を言っているのかすら、わかっていない証拠。ならばさらに立ち返り、より抽象的に捉えるべきだ。誰の加減だろうか、そうか、社長の捉え方で考えているのだった。いつの間にやら私は反対に取り入れられていたんだ。 抽象的とは、考えるに、大まかに大雑把に物事を捉えること。具体…