北海道といえば、今や日本有数の米どころ。 でも――ただ広いだけで、お米が育つわけじゃありません。 そう、「水」がなければ、稲作は始まらない。 その水を、広大な大地の隅々まで運ぶ“生命の大動脈”ともいえる存在があります。 その名も――北海幹線用水路。 (※かつては「北海灌漑溝」と呼ばれた土水路でしたが、現在ではコンクリート化され、「北海幹線用水路」として親しまれています) 今回は、北海道の空知地方の大地に命を届けるこの壮大な用水路のスケールと、その知られざる歴史に迫ります。 泥炭地との闘いから始まった かつて、空知地方は石狩川流域の泥炭地が広がる、“ぬかるみの原野”でした。 人が歩けば沈むような…