大和の三大名刹と呼ばれていた桃尾山龍福寺、現在あるのは大親寺と寺名を変更している。天皇制神話(支配体制神話)の神武東征神話である「古事記」「日本書紀」にあらわれた神道を国体とするため、神武東征に先立ち、饒速日尊が降臨したと伝えられてきた桃尾山の寺院は明治政府に特に念入りに徹底的に破壊され、魂振りの神とそれに連なる神道や寺院は弾圧、破壊の対象となった 桃尾山龍福寺は、真言宗高野山派に属し、十一面観音菩薩を本尊としていた。当時の伽藍は東西1,100m、南北660mと広大で、明治初年まで学侶方、行人方に分かれて十六坊あり、堂々たる山寺をなしていたが明治時代の廃仏毀釈で廃寺となった。 「桃尾寺記」によ…