ジークムント・フロイト『自我論集』に載っている「快感原則の彼岸」で語られている。
快感原則と現実原則では説明できない現象がある事にフロイトは気づいた。
その例としてフロイトは4つ挙げている。
1、PTSDの患者が病気の原因になった苦痛な体験の夢を繰り返し見る
2、フロイトの孫の幼児が糸巻きを使った「いないいないばー遊び」(フォールト・ダー遊び)
3、医者と患者の転移関係の中で、患者の過去の苦痛な体験が繰り返し演じられること
4、他者との人間関係がいつも同じ結末に終わる人
そこには共通の「苦痛な体験にもかかわらず何度も強迫的に繰り返す」というパターンがある。
このような強迫を、「反復強迫」と呼ぶ。
「快感原則の彼岸」に反復強迫があり、それは死の欲動の現れである。