猛暑だ、老化だ、活力減退だと、自分を甘やかしてばかりもいられない。頭を使い始めなければ。 まずは「読み」と、返信や礼状とである。つまり山積したご無礼の徐々なる解消である。 小説家志望の若き友人から、念のため眼を通して欲しいと作品が送られてきてある。預かったまま日延べしていたら、もう一篇届いて、計二篇となってしまった。彼女の学生時代からの試作はほとんど読んできているし、学生小説として行けるのはほぼここまでだろうという地点にまで達した実績も承知している。いうなれば私にとっては最後の門弟とも云える書き手だ。より広い天地に向けて作品を示してはいかがかと、意見申してきた経緯上、公募の舞台に挑戦する気組み…