今週のお題「名作」 「好きな作品」と「名作」の違いは何だろう。 特別に思い入れがあるわけではないけど、ついつい見たり聞いたりする作品もあれば、一回きりしか出会っていないのに、今なお心に深く刺さる作品もある。 人生の背骨となるような、悩んだり苦しんだりしたときに立ち返るものを「名作」とするなら、何を挙げるだろうか。 今回はうさぎの背骨である「名作」を紹介したい。 ■『檸檬』梶井基次郎 常にそこにあるのに、普段は意識にのぼらないもの。死。 家族や友人、虫の死を通して「死ぬ」とはどういうことなのか、引いては「生きる」とはどういうことなのかを見つめた短編集。 中でも、「桜の樹の下には屍体が埋まっている…