《リード》韓国の作家ハン・ガン(韓江)による『菜食主義者』(2007年韓国出版;邦訳は2011年)は、表題作の「菜食主義者」に、「蒙古斑」「木の花火」計3短編からなる三部構成の「連絡」小説で、この作家の代表作とみなされている。英国での翻訳小説に与えられる「国際ブッカー賞」を2016年に受賞。 審査委員長ボイド・トンキン氏は、「強烈に記憶に残る、衝撃的かつ独創的な小説……まったくもって奇抜な物語で、ともすれば稚拙なホラーやメロドラマに陥りかねないストーリーが、驚くべき平静と方向性、抑制力をもって描かれている」と称賛し、「自分を家庭や家族、社会に束縛する、あらゆるしきたりと思考を拒絶した平凡な女性…