私には、兄がいる。確か4歳違いの64歳。 子供の頃、両親から“ダイちゃん“と呼ばれていた兄は、成長とともに無口で、全く何を考えているのか謎すぎて、近寄り難い人になっていった。 きょうだいの3番目に生まれた私が物心つくまでの約10年間、極貧と社会性に欠けた両親の間で、兄と姉は壮絶な幼少期だったんだと、姉は今でも変なドヤ顔で語る。私も少しは覚えてはいるが、「それはそれは、、、」ご苦労様、お気の毒様、、、返答に困りつつ興味深く聞く。 その壮絶な幼少期のせいかどうかは知らないが(なんせゆっくり喋ったことがないから)小学生までは私達妹を連れて近所の子達とわんぱくに遊んでくれた兄が、中学生になるとパタリと…