現代の我々が古典作品を読む時に、現代人と古代人は感覚的な面がいろいろ異なっているということを思い知らされます。 『源氏』の場合、その相違点の認識は、たとえば身分意識などにも現れますが、もっとも大きく感じるのは、おそらく生命観運命観の相違です。 その根底にあるのは、仏教です。古代人は皆、仏教的生命観で感じ考えます。早い話が、輪廻転生、因果応報をまるまる信じているってこと。すべての運命的な出来事は、前世の因縁によって起こると考えているのです。 現代の我々は運命という得体の知れないものの中にいて、それぞれの人間の動きは、アドリブ的にその場その場で決まっていきます。 一方、仏教を信ずる古代人にとって、…