「研究」という言葉を聞いて、皆さんはどんな光景を思い浮かべますか。 無機質な実験室。ペトリ皿で培養される細胞。カラフルな試薬や、危なそうな液体、正体の分からない粉末。そして、整然と並ぶデータ。 そんなイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。 私の研究生活は、そのほとんどを網羅しています。 午前中は化学物質を取り扱い、待ち時間には教授の昔話に声を上げて笑う。午後には精神科病院の一室で誰かの「死にたい」という気持ちを、1から5までの数字で評価します。廊下では患者さんが徘徊していたり、別の部屋から大きな声が聞こえてきたりすることもあります。決して静かとは言えないその環境の中で、私は他の研究員とと…