『小説TRIPPER』 朝日新聞社刊行の文芸誌。季刊。
小説 TRIPPER (トリッパー) 2014秋 2014年 9/30号 [雑誌]
小説 TRIPPER (トリッパー) 2014年 12/30号 [雑誌]
小説 TRIPPER (トリッパー) 2005年 春季号
小説 TRIPPER (トリッパー) 2005年 夏季号
小説 TRIPPER (トリッパー) 2005年 秋季号
小説 TRIPPER (トリッパー) 2005年 冬季号
小説 TRIPPER (トリッパー) 2006年 春季号 03月号
小説を読んでいると、ときどき、本当のことが書かれているな、と思う作品に出会う。小説は基本的にフィクションであって、なかには事実をもとにしたものもあるけれど、事実がどうとか実際に起こったことを本当と言っているのではなく、ご都合的なことがなく、作品のなかである事象がそのまま書かれているということ。うまく言えないんだけれども、伝わって……。 物語はある程度、きれいにまとめることができるものだと思う。もしくは、容赦なく地獄に叩き落とすくらいの絶望を描くとか。もちろんそれが作品としてのおもしろさにつながるわけだし、つくられた物語が悪いというわけではない(そもそも、創作はつくられたものなのだし)。 それで…
もう私お姉ちゃんの受験イヤだ。受験が近づいてから家の中がずっと変だもん。(本文より) 今期出典予想ランキングでは下位だけど 今年最も楽しんだ作品はコレなんだよな。 俺がノリノリでレビュー書いた翌月には 合不合判定テストの素材にもなっていた。 その著者が来春、中学受験小説を出すよ。 見たことない方向に話が進むので新鮮だ。 主人公の友人や塾の先生、父親の言葉に ハッとさせられる瞬間が幾度もあったわ。 難易度は難しいが教育虐待の話ではなく 素材文に使えそうな箇所が盛りだくさん。 志望校のことで家族会議するシーンとか 中学受験の意義を語る父娘の会話パート、 あとは塾友・講師とのやり取りも要注目。 小説…
回受賞年 受賞者受賞作掲載誌 1712024上 朝比奈秋サンショウウオの四十九日新潮 1712024上 松永K三蔵バリ山行群像 1702023下 九段理江東京都同情塔新潮 1692023上 市川沙央ハンチバック文學界 1682022下 井戸川射子この世の喜びよ群像 1682022下 佐藤厚志荒地の家族新潮 1672022上 高瀬隼子おいしいごはんが食べられますように群像 1662021下 砂川文次ブラックボックス群像 1652021上 石沢麻依貝に続く場所にて群像 1652021上 李琴峰彼岸花が咲く島文學界 1642020下 宇佐見りん推し、燃ゆ文藝 1632020上 高山羽根子首里の馬新潮…
2024/09/23㈪㈷18時 短期間で本気のアウトプットをしすぎたのだろう。書くことへのエネルギーが不足しているのを感じる。9月13日までに林芙美子文学賞の原稿でまず一回全力を出し切り、16日はその振り返りで気合いを入れたブログを書いた。でも気合いが入りすぎたので力を抜いたものにしようとして書き直してアップしたから計二回書くことになった。20日は大原さんの『八月のセノーテ』に本気の読書感想文を書いて、21日は読書会のZINE原稿をかなり時間をかけて書いた。ZINEの原稿は文字数自体は多くなかったけれど、デザインの方にも注力したので創作エネルギーはだいぶ使ったように感じた。 そんなこんなで、書…
去る9月18日、大原鉄平さん『八月のセノーテ』(229枚)(小説トリッパー2024秋季号掲載)を読んだ。そうか、小説って、文学って、「それだけ」じゃダメなんだなあと、やっと少しわかった気がする。 大原さんの『八月のセノーテ』(以下:今作)を読んで、一読したときは、●大原さんが得意とされる風景描写の細かさ、美しさ、瑞々しさが素晴らしい●人物の感情の機微、観察眼の鋭さなどから生まれる、登場人物たちの生身のある人間っぽさ、リアリティがすごい●子どもが子どもゆえに感じる、自分が置かれた現実世界への閉塞感や、自分自身への無力感に、かつて自分も子どもだったときに感じたことのある感情だなあと共感する という…
石黒達昌 著「日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女」伴名練 編 (ハヤカワ文庫JA) 日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女 (ハヤカワ文庫JA) 作者:石黒 達昌 早川書房 Amazon このブログでは、SFとミステリー中心に時々読んだ本について書いています。ずっと昔の若い頃、日本人作家では小松左京や眉村卓、山田正紀、半村良、荒巻義男など、海外ではアシモフ、ディック、クラーク、ハインライン、ホーガンなど夢中になって読んだものですが、仕事が忙しくなってきた40歳代頃からは重いものはあまり読まなくなっていました。 リタイアしてからはかつての名作を読み返したり、気になった新作を少しずつ開拓し…
垣谷美雨さんの小説『墓じまいラプソディ』を読みました。 あっという間に読めました。 「私にも貸してね。」と妹から言われています。 私世代にとても興味ある題材だと思います。 この先、ネタバレなしです。 目次 『墓じまいラプソディ』と『夫の墓には入りません』 多岐にわたる視点『墓じまいラプソディ』 私の墓事情 主人の墓事情 友人の意見 『墓じまいラプソディ』と『夫の墓には入りません』 垣谷美雨さんの『墓じまいラプソディ』は「小説トリッパー」にて2023年春季号から秋季号に掲載されました。 初版は2023年12月。 テレワークであったり、コロナ禍であったりと、まさに「今」の話題が盛り込まれています。…
第10回 林芙美子文学賞 受賞作が決定! 大賞受賞作の冒頭を特別公開します。|朝日新聞出版さんぽ tweetを拝見して良いなあ、と思って、著作も気になっています。『小説トリッパー』に掲載されたようですが、入手出来るかな。
『小説トリッパー』連載作品の単行本化。
20の短編小説 (朝日文庫) 作者:小説トリッパー編集部 朝日新聞出版 Amazon if…伊坂幸太郎 バスジャックの犯人と対決するシーンが面白かった。 悪い春…恩田陸 やっぱり恩田さんの本は面白い。伏線があって面白かった。 ウエノモノ…羽田圭介 上の階に住む人の騒音に悩まされる主人公の描写がリアリティーがあって良かった。上の階に住む人と和解出来てよかったと思った。
6日(土) 24時ごろ就寝。9時ごろ起床。 友人が来るので出掛けの予定はなし。朝食を摂り、窓際の安楽椅子で先日買った「小説トリッパー」を読む。対談、評論など。 気づくと15時になっていて、友人の到着まで1時間ほど。部屋を片付けて、安楽椅子に腰掛けて待つ。到着して、海へ出かける。家で飲むための酒を買って、砂浜を歩き、ドラム缶を開けようと奮闘し(そして諦め)、スーパーで食べ物を買い、家に戻ってちょっと飲み、歩いて漁港へ行き、座り込み、喋り、家へ戻り、パソコンでサッカーを見て、ぐだぐだ言いながら飲み、眠る。 7日(日) 10時ごろ起き出して朝食。私はいつもの卵かけご飯を食べて、友人はそれに加えて昨日…
ひとつの祖国 作者:貫井 徳郎 朝日新聞出版 Amazon 第二次大戦後、日本は大日本国(西日本)と日本人民謡倭国(東日本)に分断された。ベルリンの壁が崩壊するころ、日本もひとつの国に統一さえた。だが四半世紀を過ぎても格差は埋まらず、再度、東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍しており……。 テロ組織と意図しない形で関わることになった一条昇と、その行方を追うことになる幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する辺見公佑。かつてふたつの国に分かれていた架空の日本を舞台に、二人の青年の友情が交差する。(帯より引用) 『小説トリッパー』2022年春季号~2023年冬季号連載。2024年5月、単行本刊行。 ドイツのよ…
柄谷行人年譜 1941年(昭和16年) 8.6 兵庫県尼崎市南塚口町にて出生。本名:善男。 1948年(昭和23年)7歳 4月、尼崎市立上坂部小学校入学。 1954年(昭和29年)13歳 4月、私立甲陽学院中学校入学。 1960年(昭和35年)19歳 4月、東京大学文科Ⅰ類入学。ブント(共産主義者同盟)に入る。 1961年(昭和36年)20歳 3月、ブント解散。社学同(社会主義学生同盟)を再建する。その後、運動から離れる。 1962年(昭和37年)21歳 4月、東京大学経済学部進学。 1965年(昭和40年)24歳 3月、東京大学経済学部を一年留年して卒業。 4月、東京大学大学院人文科学研究科…
1971年(昭和46年) 5.9 東京都三鷹市にて誕生。妹含め4人家族。父親はサラリーマンで母親は専業主婦。母方の祖父が赤坂で内装業の会社を経営していた。 1981年(昭和56年)10歳 近所のハンバーグ屋に置いてあった森村誠一『悪魔の飽食』を読み衝撃を受ける。 1982年(昭和57年)11歳 三鷹市中原から神奈川県横浜市青葉区に転居し、三鷹市立東台小学校から横浜市立みたけ台小学校に転校。 1983年(昭和58年)12歳 筑波大学付属駒場中学校入学。 1985年(昭和60年)14歳 『うる星やつら』の私設ファンクラブの創立メンバーとなる。放映再開の署名活動とデモ(20名くらいのラジカセのサウン…
『ラウリ・クースクを探して』宮内悠介 著者は最初に言う「ラウリ・クースクは何もなさなかった」。ソ連が解体し、ロシアになる過程で周辺諸国にはどんなことが起こったのか。エストニアに生まれた無名の主人公が辿る過酷な運命が淡々と描かれ、現代史のもつ悲劇が浮かび上がる。2023年の最高傑作とも言ってよい作品で、直木賞候補になった。 ラウルはコンピュータのプログラミングに優れた才能を発揮し、ゲームソフトなどで賞賛を浴びる。ロシア人の友人とともに切磋琢磨しながら夢を追い求めたが、ソ連崩壊によって道を断たれる。 彼とイヴァン、そしてカーチャ。イヴァンは一色覚の障害を抱え、血の日曜日の影響でロシアに帰り記者とな…