鏑木清方が挿絵を担当した中島孤島/編『こども芝居』彩雲閣1907(明治40)年 という本がどのような本なのか少し紹介してみよう。 中島孤島による゛はしがき“は次のように書かれている(原文は旧仮名遣い)。 ゛外国にはクリスマスの祭というものがあって、この祭の時にはよく子供が集まって芝居を致しますが、日本にはまだ然(そ)ういうものがありません。お正月や、お節句などに、子供が集まって遊ぶ時に、何かして見ようと思っても、子供に出来るような脚本(ほん)がない。然ういふものをと思って、この本をこしらえて見たのです。” これを読んで私は初めて気づいたのだが、大正期に坪内逍遙によって提唱された゛児童劇”という…