訓読 >>> 765一重山(ひとへやま)隔(へな)れるものを月夜(つくよ)よみ門(かど)に出で立ち妹(いも)か待つらむ 767都路(みやこぢ)を遠(とほ)みか妹(いも)がこのころは祈(うけ)ひて寝(ぬ)れど夢(いめ)に見え来(こ)ぬ 768今知らす久邇(くに)の都に妹(いも)に逢はず久しくなりぬ行きて早(はや)見な 要旨 >>> 〈765〉山一つ隔てて異郷の地にあるというのに、あまりによい月夜だから、愛しいあの人は今ごろ門口に立って私を待っていることだろう。 〈767〉都の道は遠く離れているせいか、いくら祈って寝ても、あなたは夢に出てきません。 〈768〉新たに天皇がお治めになる久邇の都にあり…