文芸の一流派。大正13年に創刊された同人誌「文芸時代」を母胎として出てきた一群の作家たち−横光利一、川端康成、中河与一、片岡鉄兵、今東光、佐々木茂索、十一谷義三郎、池谷信三郎ら−を指す。千葉亀雄が創刊号の印象を書き「新感覚派の誕生」と命名して以来、文学史用語として広く定着した。また横光利一の「頭ならびに腹」に見られるように、ポール・モーランの『夜ひらく』(堀口大学訳)などの影響による奇抜な擬人法的手法を導入し、従来の日本語の文体を一変した。
今回は川端康成の「古都」を要約していきます。 川端康成はノーベル文学賞を受賞した日本純文学を代表する作家で「雪国」や「伊豆の踊子」等が有名作品です。本作は何度も映像化されている氏の代表作の一つと言われており、「新感覚派」の真骨頂が垣間見える作品です。 ※新感覚派とは簡単に言うと、ヨーロッパ文学の表現技法を用いて美術や音楽の世界に通じる「美」を表現するポエム調の作風です。擬人法や比喩を積極的に用いて、日本社会のある場面を切り取りエモーショナルな感じに現実を描写するという作風です。 ■古都 ■ジャンル:文学 ■読破難易度:低(平易な文章であり、物語も非常にシンプルなので読みやすいです) ■対象者:…
「作家の日記」全6巻 オクターヴ・ミルボー 小間使の日記 ドストエフスキー全書簡集完全版 別れる理由 第三帝国の興亡 真崎甚三郎日記 1~6(計6冊) 世界風俗史 全3冊 ぶらりひょうたん ジュール・ルナール『日記』新潮文庫版は全7冊 ミハイル・ショーロホフ『静かなドン』 新感覚派の小説家、中河与一 島田清次郎の誕生日です。『地上』 ニコライ・ゴーゴリ 生田春月の文庫なんて見たことがない。自伝的長篇小説『相ひ寄る魂』を読んでみたいな。頼るは岩波文庫か講談社学術文庫しかないだろう。 パスキエ家の記録 全10冊揃 デュアメル 長谷川四郎訳 昭27 みすず書房 ¥20,000 私の読書欲はどこまでも…
魅力的symbolic品のいい美しいオーラ研ぎ澄まされた感性でを突き破る透明感クールな個性派の女優、洗練された色気を艶やかな神秘的パフォーマンスによって覚醒する爽やかナチュラルな麗しい女優さんエッセンスしっとり綺麗バージョンに釘付け。煌めきを変幻自在に解き放つ個性が華やぐ凛々しい新感覚派の女優広瀬アリスmysteriousオーラ麗しいエネルギッシュな演技力エレメンツとは雲崎龍一も絶賛の美しい印象派ビューティーエモーションが女優として華やかにバージョンアップされた演技力から煌めき光る色っぽいシンボリックスタイルを自由自在に進化させる神秘的ジャパニーズプレミアム素晴らしい女優イズム。キュートなファ…
1. 川端康成「雪国」の感想 今回は新感覚派の作家・川端康成の代表作「雪国」を読んだので、その感想を書いていきたい。あらすじと解説を含むため、川端康成や「雪国」に興味のある読者はご一読されたい。その上で実際にお手に取られても、この記事の内容で満足して頂いても、私としては幸いである。 この作品は1935年から書き始められた。初めから一つの作品として構想されていたわけではなく、複数の断章が書き継がれ、現在の形を成している。例えば、初出の部分の題は元々「夕景色の鏡」であったようだ。他にも「徒労」や「天の河」など、作品の印象を端的に示した題が散見されて面白い。 作品の冒頭の描写はあまりにも有名である。…
1. 川端康成「伊豆の踊子」の感想 今回は新感覚派の作家・川端康成の「伊豆の踊子」を読んだので、その感想を書いていきたい。あらすじと解説を含むため、川端康成や「伊豆の踊子」に興味のある読者はぜひご一読されたい。その上で実際にお手に取られても、この記事の内容で満足して頂いても、私としては幸いである。 川端康成は文学史上「新感覚派」と呼ばれる。これは1924年に創刊された雑誌『文芸時代』の一員であったからである。大正末から昭和初期にかけて、彼らは芸術派としてプロレタリア文学の潮流と競った。同派の代表的人物には横光利一がいる。白樺派の根拠雑誌『白樺』の創刊が1910年であるから、彼らはやや遅れて登場…
今回は川端康成の「伊豆の踊子」を要約していきます。 川端康成はノーベル文学賞を受賞した日本純文学を代表する作家で「雪国」や「古都」等が有名作品です。「伊豆の踊子」には「伊豆の踊子」「温泉宿」「抒情歌」「禽獣」の4作品が収録されています。 ※今回は初めて小説をまとめる形式を採用します。中身を要約してもあまり意味がないと思うので、個人的に気になったポイントを列挙していく形式を採用します。 ■伊豆の踊子 ■ジャンル:文学 ■読破難易度:低~中(文字をなぞるだけであれば各作品は40ページ程度の短編なので、とても読みやすいと思います。) ■対象者:・日本純文学について興味関心のある方全般 ・新感覚派のエ…
川端康成先生と親友の石濱金作先生の関係を語るシリーズ第⑥弾。 とりあえず①を未読の方はこちら↓ 県立図書館はパラダイス①(川端康成と石濱金作①) - うみなりブログ。 今回は私が現在進行形で集めまくっている石濱作品の中から、川端先生が登場する作品についてのみ紹介したいと思います。 最近、川端と石濱と第六次『新思潮』についてしか語っておらず、本当にすみません…。 もう、もう、これ迄以上にこの辺りに何故か激ハマりしてまして、令和現在よりも大正時代について考えている時間の方が最近は長いくらいです。 そろそろ他のBL文学の感想についても纏めたいとは思っていますので、また宜しくお願いします🙏
横光利一(1898年<明治31年>~1947年<昭和22年>)の代表的短編小説と中編小説を集めた『日輪・春は馬車に乗って』(岩波文庫、1981年)を読んだ。横光利一の名前は知っていても、今まで作品を読んだことがまったくなかったのだが、きっかけとなったのは森敦。横光は森敦を見出し、結婚の媒酌までしたというので、この機会に読んでみようとおもいたった。 横光利一の短編集を読んでみた さて岩波文庫の作品集のなかで一番おもしろかったのは中編『機械』(昭和6年)。これはあるネームプレート製作所の話。ここで横光は、後のフランスのヌーヴォー・ロマンをおもわせるような文体創出の工夫をしている。そして単に新しい文…
一宮八幡神社の参拝を終えて北上し、岡山県苫田郡鏡野町竹田にあるペスタロッチ館(鏡野町総合文化施設)に赴いた。 ペスタロッチ館 ペスタロッチ(1746~1827年)はスイスの教育者で、貧民の子や孤児にも平等に教育の機会を与え、生徒の自主的学習意欲を伸ばすことに尽力した人物である。 鏡野町は、ペスタロッチの知・徳・体をバランスよく発展させるという教育理念を取り入れ、日本のペスタロッチタウンを謳っている。 鏡野町は、ペスタロッチが晩年に教育の拠点にしたスイスのイヴェルドン・レ・バン に職員を派遣してペスタロッチの理念を学習し、同自治体と友好憲章を結んでいる。 ペスタロッチ館は、鏡野町図書館、郷土博物…
第六次『新思潮』の謎に迫る2回目です。 前回はこちら↓ 第六次『新思潮』① - うみなりブログ。 この辺りの文学に詳しい方には当たり前のことしか書いてないであろう簡単な概要ですが、自分の備忘録を兼ねて纏めました。
(私にとって)謎多き雑誌、第六次『新思潮』の謎に迫ってみました。 何が謎かというと、川端康成先生以外の要素全てです。 川端先生や「新感覚派」周辺を調べている方にとっては周知の事実かもしれませんが、第六次『新思潮』に焦点を絞って分かりやすく纏めているネット記事や本が見つかりませんでしたので、今回は調べて分かった事項を一応自分の備忘録として纏めておきたいと思います。
『狂った一頁[染色版]』(1926:衣笠貞之助)と『鬼あざみ[デジタル復元版]』(1927:衣笠貞之助)を、国立映画アーカイブにて見る。きょうから始まった「発掘された映画たち2022」の1本。420円。 『狂った一頁』は1976年3月に岩波ホールにて『十字路』(1928:衣笠貞之助)と一緒に見たのが最初。その時以来かもう1回ぐらい見てるかな? 上映前に10分ぐらいの研究員の解説。染色版は1971年に衣笠貞之助監督の自宅蔵で発見。でも、ニュープリントはせず。その理由は? でも、今回見て、その理由がわかったような気がする。染色版の効果がわからず。夜のシーン=精神病院のシーンに効果が表れる、というこ…
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。 川端康成『雪国』を読みました。 ノーベル文学賞を受賞した偉大なる文豪ですので、今さら改めて説明するような事もないのですが……本作をKindle Unlimitedで見つけたので、ついつい手を出してしまいました。 川端康成は昭和47年(1972年)4月16日にその生涯を終えたので、令和4年(2022年)である今年は没後50年にあたります。 そのため全国各地において没後50年を記念するイベントや展覧会が開かれているのですが、ここで取り上げておきたいのが、近年問題となった著作権の保護期間の話。 日本では元々没後5…
一高時代から親友で「なにをするにもいつしよ」な二人、川端康成先生と石濱金作先生の関係を語るシリーズ第5弾。 前回はこちら↓ 川端康成「當用日記」⑤(川端康成と石濱金作④) - うみなりブログ。 ①はこちら↓ 県立図書館はパラダイス①(川端康成と石濱金作①) - うみなりブログ。 BL、同性愛の話題です。以下お気をつけ下さい。
「まどろむ盆栽」 こちら清野家(せいのけ)は、塀に覆われた広い家だ。だが屋敷ではない。普通の民家だ。庭が広く、盆栽が多く並べられている。塀が開いた表口から玄関まで、丸い石が埋められている。 和を愛する家で、御金に余裕があれば、それはよくある事だろう。 十月に入り、気候的には秋らしい秋になろうとしていた。この家には、清野美奈子と言う、十七歳になる高二の少女がいた。美奈子は一人っ子だ。美奈子は、一階の自分の部屋を出て、廊下を通り、自分専用の白いサンダルを突っ掛けて、広い庭に出た。今日は、土曜日で学校は休みだった。美奈子は、部活と言えば、文芸部に所属していた。美奈子は、読書や演歌鑑賞が好きだった。気…