根治あるある ない _ 歯医者というのは一度集中治療が終わっても卒業はできず、白亜色の待合室には死ぬまで通い続けろという絶望の空気が蔓延している。1週間に1回ペースで通っていたものが半年に1回ペースまで引き延ばされるだけ。健康診断でさえ1年に1回なのに、それ以上の頻度での往来を強要される。絶対にこのレールから降りることは許さないという静かな連帯。おれはあらゆるレールから脱線という形で事故を起こしながら降りて来たのでここも降りたいところだ。 ただ、齢九十ぐらいのおじいさんやおばあさんが歯医者さんにいるのって見たことないな。もしかしたら、どこかで降りれるのかもしれない。 気付いた、歯が無くなるんだ…