戦国時代の島津氏でもっとも知名度が高い人物は島津義弘(しまづよしひろ)だろう。それで、「薩摩の島津義弘」と説明されることも多く、一般的にもそんなイメージだと思われる。だが、島津義弘は薩摩国で城主になったことがない。居城は日向国や大隅国にあった。その中で代表的なものが、日向国真幸院(まさきいん)の飯野城(いいのじょう)である。 飯野城跡を川内川河畔から見る 島津義弘は永禄7年~天正18年(1564年~1590年)に飯野城を拠点とした。壮年期の26年間(29歳~55歳)にあたり、この間に島津氏は南九州から勢力を急拡大させ、豊臣秀吉とも戦った。 飯野城跡は宮崎県えびの市原田にある。別名に「亀城(きじ…