日本公開を待ちに待った『アネット』。2021年カンヌ国際映画祭でオープニング作品・監督賞を受賞した、レオン・ラッセル監督作品だ。 アダム・ドライバーが主演のミュージカル映画ということでも話題をさらったが、いかんせんコンセプトが不気味なのだ。 お互いのキャリアの絶頂期に結婚した、オペラのソプラノ歌手・アンと、挑戦的な芸風のコメディアンのヘンリー。愛し合う二人の間にはアネットという娘も生まれ、人生は順調なように見えたが……。 二人の娘のアネットは、画面の中で異質な存在感を放つ。 それはもう、文字通り「異質」なのだ。 アネットはピノキオのような木彫りの人形で表現され、表情もあるがどこか歪で、薄ら寒い…