映画「オッペンハイマー」を観た。 話が戦前と戦後を行き来する形になっていて、初見ではすべてをしっかりと理解するのが難しかった。 けれども、なんとかついて行こうとしながら鑑賞した三時間の大作は、見終わった後には私にとって忘れてはならない作品の一つとなった。 時代の波に翻弄された天才物理学者、ロバート・オッペンハイマーの生涯を描くこの映画は当初日本での公開はされないはずだったが、その方針が変更となった。 1926年、オッペンハイマーはドイツにおける世界屈指の物理学研究拠点であるゲッティンゲン大学で、後のノーベル物理学賞受賞者、ハイゼンベルクのもと、研究を重ねていた。 ユダヤ系移民としてニューヨーク…