drive my car 濱口竜介監督作の『ドライブ・マイ・カー』を観ました。 妻に先立たれた俳優兼演出家の家福が広島の演劇祭に招かれ、広島で出会った専属ドライバーの渡利と交流するというストーリーです。 村上春樹さんの短編が原作というより、チェーホフの『ワーニャ伯父さん』が原作という印象が強い作品です。 今作の登場人物たちもひたすた喋り続け、その様子はチェーホフ劇のようでもあります。 家福が演出する演劇はある俳優が日本語を話すと別の俳優は北京語を話すといったように配役ごとに一言語を割り当てられ、セリフが多言語であることが特徴となっています。 コミュニケーションの不在を言語により表現する演劇はチ…