ブドウの果汁を発酵させたアルコール飲料を指す。日本の酒税法では「果実酒」に分類される。
世界で最も多くの地域で飲用されているアルコール飲料である。
主要生産国はフランス、イタリア、スペイン、アメリカ、アルゼンチン、ドイツ、オーストラリア等で、主に3つの種類に分類される。
赤や濃い紫、あるいは赤褐色のワイン。黒色のぶどうを潰して、果皮を漬け込んで発酵させると果皮から色素が抽出されて赤色になる。
この時、果実から色だけでなくタンニン分も抽出されるため、赤ワインには渋みがあることが特徴。
飲み頃の温度は、室温15〜18℃で、これはヨーロッパの石造りの室温を示す。日本の夏の暑い日などは、冷蔵庫で30分程冷やした状態が適切である。
白ぶどうとよばれる緑色ぶどうや色の淡いぶどうを使用したワイン。渋みがなく、すっきりした味わいが特徴。
飲み頃は10度前後で、よりさっぱりして酸味のきいたものほど冷やして飲むのが適切である。
ピンク色をしたワインで、バラの花の色に例えてロゼ・ワインと呼ぶ。発酵の初期段階まで赤ワインの醸造法と同じように行われ、果皮を漬け込んだ発酵がはじまり、バラ色になったところで果汁を引き抜き、果皮を分離して、果汁を白ワインと同じ方法で発酵させる。
味は比較的さっぱりした白ワインに近い。
いったん造ったワインに糖分と酵母を加えて2次発酵させて炭酸ガスを閉じ込めたワイン。1次発酵の過程は白ワインと同じである。
製造法はびん内2次発酵法(シャンパン法)や密閉タンク方式(シャルマン法)など地域によって様々である。
発酵の途中でブランデーなどブドウを原料としたアルコールを添加し、発酵を停止させ糖分を残して甘口にしたワイン。
代表的なものはポルトガルのポルト酒、そしてマデイラ、スペインのシェリーでこれらを合わせて三大強化ワインと呼ぶこともある。
ボトリティス・シネレアという貴腐菌がついた葡萄から作ったワイン。ボトリティス・シネレアは、通常、「灰色カビ病」の原因となる菌であるが、完熟した葡萄に限って、果汁の濃縮効果が得られ、糖分が30%〜40%も含むブドウジュースができ、それを利用して作られる。代表的なものはフランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイアスーで、それらを合わせ、世界3大貴腐ワインと呼ぶこともある。
完熟したブドウを収穫せずにそのまま木につけたままにしておくと、乾燥した天候が続くとだんだん干しぶどうの様な状態になる。
この生乾きのブドウから作られたワインを遅摘みワインといい、糖分が凝縮されているため、非常に甘口なワインである。
遅摘みワインをつくっている間に猛烈な寒波がやってくると葡萄が木に付いたまま凍ってしまう事があり、この凍ったブドウから搾った果汁を発酵させたワイン。
:アルコール飲料