「重く濃密な黒褐色を背景に、痛ましいほどに陰鬱な表情をした男の顔」。失意の底にあった48歳のレンブラントの自画像を見た梓澤要さんは、買い求めた自画像の写真葉書で敬愛する杉本苑子さんに問いかけたそうです。 「画家は何故、自画像を書くのでしょうか」 折り返し返信があって、「われわれが小説を書くのも、自画像です。 ― 自分自身と格闘し続けるという意味において」 と認められていたと。読み終えた『夏草ヶ原』のあとがきにありました。 作品にそのときどきの自分の心の内側を色濃く表していく。 ブログという先に2000字の趣味の世界を持つ。自分を深く見つめ、表現する力を持ちたい。説明句に良句なし。説明の多い作品…