「不機嫌な英語たち」を書いた吉原真里さんに、日本エッセイスト・クラブ賞や河合隼雄物語賞を受賞している作品があると知って、後追いで読んだ、「親愛なるレニー レナード・バーンスタインと戦後日本の物語」。初小説となった「不機嫌」も良かったが、こちらはしっかりしたノンフィクションで、丁寧に書かれていると感じた。 親愛なるレニー: レナード・バーンスタインと戦後日本の物語 作者:吉原 真里 アルテスパブリッシング Amazon ハワイ大教授である吉原真里さんは、冷戦期の文化政策の日米比較分析のために、米議会図書館でレナード・バーンスタインの資料を閲覧しているときに、名も知らぬ日本人からの書簡を目にした。…