夜の11時、暗闇の部屋。 ムッとする熱気。日中の滅がこもり、部屋に 入っていった顔をモワッと撫ぜる。あわてて 換気をするため窓を開ける。 外気の涼しい流れが私を包む心持ち涼しい。見上げると 南向き窓からの月き明かりが 明るい。満月に近い月だ。 s:1/4、 f:3.5、iso: 12,800、ノンフラッシュ この一枚:遊び心で撮影。 月のひかりはベランダと藤の弦を すりガラスに柔らかな映像で写し 出していて、まるでトーキー映画の 一片を見ているような錯覚を覚える。 ぼんやりしたやわらかい影絵の ようにも見える。時間、藤弦の伸び、月の月齢、と 自分がこの時間にこの時間になければ この影絵は見るこ…